葉酸代謝検査

「葉酸」

この栄養素の働きは
ご存知ですか？

水溶性ビタミンの一種であり、
ビタミンB群に属します。
主に緑黄色野菜や海苔、レバーなどに多く
含まれている栄養素で、
ビタミンB12とともに
赤血球の生産を助けるため
「造血のビタミン」ともいわれています。

特に妊娠を希望している女性や妊娠期には
とても重要となる栄養素です。

神経管閉鎖障害の予防（二分脊椎、無脳症など）: 葉酸は、胎児の神経管の正常な発達を助けます。
神経管は胎児の脳と脊髄を形成する重要な部分であり、葉酸不足の場合、神経管閉鎖障害のリスクが高まります。
神経管閉鎖障害は、胎児の脊椎が正しく閉じないことにより、重度の障害を引き起こす可能性があります。

貧血の予防: 妊娠中の女性は、胎児の成長に必要な酸素を供給するために、通常よりも多くの血液を必要とします。葉酸は赤血球の形成を助け、貧血を予防するのに役立ちます。

胎児の成長と 発達の支援: 葉酸は、DNA合成に不可欠な栄養素です。
胎児の成長と発達には、新しい細胞が必要であり、DNA合成はそのプロセスの中心です。
葉酸が不足していると、胎児の正常な成長と発達に影響を与える可能性があります。

参考文献
lnternational Clearinghouse for Birth Defects Surveillance and Research, Annual Report. 2014.
佐藤（三戸）夏子, 瀧本秀美葉酸と胎児発育. ビタミン 82 (1): 19-23, 2008
「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」
平成12年. 児母第72号・健医地生発第78号（通知） Molloy AM, Folate bioavailability and health. Int J Vitam
Nutr Res., 72 (1): 46-52, 2002. Chitayat D, et al. Folic acid supplementation for pregnant women and those
planning pregnancy: 2015 update. J Clin Pharmacol., 56(2):170-175, 2016.
厚生労働省：日本人の食事摂取基準（2020年版）,「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書,2019

葉酸は、妊活中だけでなく
妊娠中、授乳中も
重要となる栄養素

お腹にいる赤ちゃんの成長に必要なことは
もちろん、母乳を通じて赤ちゃんに
しっかり
栄養を届けるため授乳期にも必要になるなど
葉酸は母親と子供にとって
とても
重要な栄養素です。

そんな多くの効果を持つ
葉酸は、サプリメントや
緑黄色野菜など、意識して
摂取
しているつもりでも、
実は不足してしまう
事もある栄養素でも
あります。

何故、葉酸不足となってしまうのか？

それは、体質が関係しています。
サプリメントや葉酸を豊富に含む食材を
摂取していても
体内で上手に活用されず、
本来であれば十分な摂取量であっても、
人によっては葉酸不足となってしまうのです。

日本人の数人に1人の
割合で、葉酸を上手に
活用できない体質であると
報告されています。

ホモシステインがメチオニンに戻る時に葉酸とビタミン12が必要となります。ホモシステインがシステインに変わる時にビタミンB6が必要となります。葉酸をはじめとするビタミンが不足してしまうと、血中のホモシステインが高くなり、そのまま放置しておくと動脈硬化や認知症、高血圧といった疾病だけでなく、骨折のリスクが高まる恐れがあります。

葉酸は私たちの小腸で吸収され、
葉酸・ホモシステイン代謝という形で
体内で利用されることになります。
この代謝には、MTHFRという酵素が
関わって来るのですが、日本人の多くが
このMTHFRに変異があると
考えられており、
このMTHFRに
変異がある場合、摂取した葉酸を
上手く体内で活用できない
体質といえます。
葉酸を上手く利用できないと、
血液中のホモシステインが上昇し、
様々な健康リスクが
高まると言われております。